★(1面)21日、習近平が、ボアオ・アジアフォーラム開幕式に出席し、趣旨演説を行った。演説のタイトルは「手を携えて挑戦を迎え、協力で未来を切り開く」。韓正も出席した。
 習近平は「グローバル安全保障イニシアティブを提出し、人類が苦楽をともにする運命共同体であることを強調し、各国は自信を確固とし、同心で力を合わせ、心を合わせて助け合い、協力で未来を切り開く」と述べた。この「グローバル安全保障イニシアティブ」に注目した。その内容は次の6点。
 ①共同、総合、合作、持続可能の安全観を堅持し、共同で世界の平和と安全を維持する
 ②各国の主権、領土保全、他国の内政への不干渉の尊重を堅持し、各国人民の自主的な選択の発展の道と社会制度を尊重する
 ③国連憲章の趣旨と原則の遵守を堅持し、冷戦思考を放棄し、一国主義に反対し、ブロック政治や陣営対立を行わない
 ④各国の合理的な安全保障の関心事の重視を堅持し、安全保障の不可分性の原則を守り、バランスとれた、有効で、持続可能な安全保障枠組みを構築し、自国の安全を他国の安全ではない基礎の上に構築することに反対する
 ⑤対話協商を通じた平和方式で国家間の対立と紛争の解決を堅持し、平和的な危機の解決に有利なあらゆる努力を支持し、ダブルスタンダードを行ってはならず、一方的な制裁と『管轄権の域外適用』の乱用に反対する
 ⑥伝統分野と非伝統分野の安全の統一と維持を堅持し、共同で地域紛争やテロ、気候変動、サイバーセキュリティー、生物安全などのグローバルな問題に対応する
 ⇒習近平が、安全保障、外交方針として、「グローバル安全保障イニシアティブ」と称するものを提示した。その内容は、米国の行動、米国への対抗、ウクライナ情勢も考慮したものだが、目新しいものではない。しかし、現在の習近平(政権)の安全保障、外交方針がまとめられており、便利なものである。

★(8面)21日、最高人民検察院が、収賄罪と法を悪用して、私利私欲にはしる罪の容疑で、全国政協社会和法制委員会元副主任(元司法部部長)の傳政華を逮捕した。
 ⇒傳は、3月31日に、中央規律検査委員会の処分が出ており、司法の場で裁かれることになった。傳は「孫力軍政治集団」に参加しており、孫力軍はじめ、その他の集団参加メンバーも続くのだろうか。
  孫力軍政治集団は、習近平の三選を阻もうとするような習近平の抵抗勢力ではなく、自分の出世、私利私欲を追求するグループにすぎない。しかし習近平にとっては、万が一のことを警戒しなければならない。秋の党大会に向けて、代表の選出も始まったタイミングで、逮捕したことは、政治グループの活動を考えることにクギを刺すためだろう。